■新作発表のショーは毎回ミュージカルのような演出を
自分のために作ったバッグが評判を呼び、最初の予感をはるかに超えて世界中にファンを獲得するまでになったジュリアーナ。
ふと「もし、ファッションデザイナーになっていなかったら?」と質問してみると、「舞台監督になっていたかも。」と意外な答えが。
そして奥からたくさんのアルバムや資料を出して見せてくれたのです。そこにはまるでミュージカルのような衣装で踊るダンサーたちの写真が。ロベルタのファッションショーは、単なる作品の発表ではなくミュージカルのような大掛かりな演出で有名だったとのこと。
「サーカス団を呼んだこともあるし。チェックカラーがコンセプトだったときはスコットランドの楽隊を呼んだこともあるのよ。」
ブランドのアピールの場という意味を超えて、ジュリアーナの中ではショーは一つのエンタテインメントとしてとらえていたのかもしれません。開催地はローマはもちろん、ウィーンやベルリン、チューリッヒなどヨーロッパの主要都市各地をまわったといいます。
ニューヨークで開催したときは、偶然同じホテルに泊まっていた奇才ダリがショーを見に来て賞賛の声を掛けてくれたとか。
“ ファッションデザイナーではなく、彼女は一人のアーティスト”
これはジュリアーナの芸術家仲間が彼女を評した言葉。ファッションというジャンルを越えて、人にサプライズを与えることは彼女の人生そのものなのかもしれません。「感動することが本質、それは全て同じことだから。」とジュリアーナは言います。
泉のようにあふれる創造への情熱。それはいったいどこから来るものなのでしょう。そんな漠然とした質問をしてみると、ジュリアーナは生まれ育った大好きな街、ヴェネツィアの話をしてくれました。
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